就業規則

急増傾向にある近年の労務トラブル

労務トラブルは、年間に500万件発生していると言われています。
そのうち行政で把握しているものとして、下記の資料は、厚生労働省が作成した「平成21年度個別労働紛争解決制度施行状況」に関する資料です。
個別労働紛争解決制度は、平成13年10月に施行されましたが、人事労務管理の個別化等の雇用形態の変化、経済・雇用情勢の悪化等を反映し、全国の総合労働相談コーナーに寄せられた総合労働相談の件数は約114万件、民事上の個別労働紛争に係る相談件数も約25万件となり、件数としては急増傾向にあります。

このような背景から、企業は労働基準法等、労働法令を遵守することのみならず、民事レベルによる個別老紛争を防ぐための措置を講じていかなければなりません。
なぜなら、労務トラブルが起きると、解決のための費用がかかるほか、人事・労務担当者(中小企業の場合は社長自らがなることも)その対応に追われ、多大な時間すらも犠牲にしてしまう可能性がるからです。
では、具体的にはどのような対策を行為て行けばよいのか?
まず行うべきことは、自社の「就業規則」をしっかりと整備することです。

就業規則が重要な理由

会社と従業員間の雇用関係におけるトラブル(個別労働紛争)は、つまりは「会社と労働者の間の約束をめぐって生じるトラブル」です。
約束をめぐるトラブルとなる原因としては、次の3つが挙げられます。

  1. そもそも約束がない、又は不明確になっている。
  2. 約束があっても、両者の認識に差がある。
  3. 会社、従業員双方又は一方が守れない約束をしている。

これらが原因で、例えば、

  • 残業代が含まれている賃金であると伝えていたのに、退職後に残業代を請求してきた
  • 試用期間終了後に不採用としたが、不当解雇であると主張してきた
  • 退職金の支給対象でないパートから退職金を請求されたが、「パートタイマーは退職金の規程を適用しない」と明示していなかったため払わざるをえなくなった

など、約束が文章になって残っていないことや、両者の認識のズレなどが理由で「言った言わない」の争いになってしまうのです。
また、約束が文章に残っていないことをいいことに、約束していなかったことを自ら認識していながら、退職後に「聞いていない」とふっかけてくる人が増えている事も事実です。

以上の理由から、「守れる約束」を就業規則をしっかりと整備することにより、労務トラブルから会社を守る必要があるのです。

「自社で守れる約束」を、法律の抵触しない範囲で、一つ一つの約束事の意味を理解しながら慎重に作成する必要があります。

強い組織を実現する就業規則 ~3つのポイント~

では、就業規則を作成・見直しするにはどのような点を意識していけばよいのでしょうか?
主に、

  1. 労務トラブルから会社を守る
  2. 会社と従業員のコミュニケーションツール

という、2つの目的を持ちます。
これらの目的を達成するためには、次の3つがポイントとなります。

強い組織を実現するために、会社として従業員にどのような約束ができるのか、
どのような約束を求めるのかを会社独自で(つまりオリジナルの就業規則)を作成し、運用していくことが大切です。

(参考)代表的な会社規程・労使協定一覧

規程名 主旨・内容
就業規則本則 会社で働くルールや取り決めを包括的に示した重要な規程
賃金規程 賃金体系や支払方法等賃金についてのルールを示した包括的な規程
パートタイマー就業規則 正社員以外の労働条件・雇用形態で働く従業員向けの就業規則
育児・介護休業規程 育児・介護休業に関わる対象者・ルール等を定めた手続き規程
国内出張旅費規程 国内出張時に関係してくる手当や旅費に関する取り決め
海外出張旅費規程 海外出張時に関係してくる手当や旅費に関する取り決め
慶弔見舞金規程 従業員の慶弔時に関する祝い金・見舞金等の取り決め
秘密情報管理規程 会社が扱う秘密情報の取扱いに関するルールの取り決め
マイカー通勤規程 マイカー通勤する従業員に関するルールを定めた内容
退職金規程 退職金の対象者や計算方法、支払について定めた規程
社宅管理規程 社宅がある場合の入居基準や費用に関する取り決め
36協定届 時間外労働の免罰効果要件を満たす書類
裁量労働制に関する労使協定 裁量労働制を導入する場合に提出が義務付けられている労使協定
賃金控除に関する労使協定 賃金から会社独自で控除するものがある場合に作成する労使協定
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