繁忙期に育児休暇を申請された場合に拒むことはできるか?

2013-04-04

(相談内容)

従業員が育児休暇を希望しています。会社の事業に支障がある場合でも認めなければいけないでしょうか?拒むことはできますか?

 

(回答)

法定の要件を満たす限り、事業運営上の事情があっても申出を拒むことはできません。

 

(解説)

①事業繁忙等の場合に拒否できるでしょうか?

 育児介護休業法(以下「法」)により、一定の要件を満たす労働者は、育児休業の権利が認められており、事業主はこれを拒めないと規定されています。

一方では、会社経営が困難、繁忙期など事業への影響が非常に大きく認めたくても認められないということは現実的に起こり得る現象だと思います。

しかし、育児休業は、一定の要件を満たす労働者すべてに認められた権利であり、事業運営との調整やバランスという考え方は取り入れていません。

つまり、会社側にどのような事情があっても「申出を認めない」ということはできません。

仮に、会社が認めないと言っても法定の要件が満たしてあれば従業員は適法な形で育児休業ができます。当然、この休業に対して懲戒処分等をすることは許されません。

 

 時季変更は可能性について

 育児休業の取得時期について、年次有給休暇のように時季変更権(労基法39条5項但書)は認められていません。

原則として1歳(パパ・ママ育休プラスの場合、1歳2か月までの間で1年間)の法定期間内であれば、取得時期の制約をうけることなく自分の希望する時期に休業できます。

 従って、業務が忙しいことを理由として、会社が一方的に休業期間を短縮したり、代替要員の関係でこれを一方的に延長したりしても、従業員はこれらに応じる義務はありません。

 

 会社としての対応

 このような法ルールとは別に、延長や短縮、あるいは休業の取得時期について、本人と十分な話し合いを行い、その中で相互の折り合いがつくのであれば、強制にならないように配慮した上で協力を求めることが全くできないわけではありません。しかし、こうした話し合いによる要請は、乳児を抱えた従業員に無理をさせることになりかねないので特殊事情のある場合と限定する必要があります。

 要請も本人にとって真実無理のない範囲にとどめることが大原則なので十分注意して下さい。

 

Copyright(c) 2011-2015 Nice-One All Rights Reserved.