就業規則の変更が不利益変更になる場合の判断について

2013-04-03

(相談内容)

就業規則を経営状態に合う形の緊縮した形にしたいと思っています。この変更が不利益変更になるでしょうか?

(回答)

必要性と内容の両面から判断されます。賃金や退職金に関する労働条件の不利益変更は厳格に判断されます。

 

(解説)

①不利益変更の合理性の判断

 就業規則の不利益変更について「就業規則の変更によって労働者が被る不利益の程度、使用者側の変更の必要性の内容・程度、変更後の就業規則の内容自体の相当性、代替措置その他関連する他の労働条件の改善状況、労働組合等との交渉の経緯、他の労働組合又は他の従業員の反応、同種事項に関する・・・社会における一般的状況等を総合考慮して判断すべきである」として最高裁もこの判断基準を踏襲しています。また、労働契約法10条として条文化されています。

②具体的に考える

 この基準を考える前提の問題の所在は、権利義務の存否を争うものではなく労働条件の合意ができるか?ということになります。つまり、この就業規則の変更について労使間で合意ができれば問題ないことになります。

 とすると、この判断基準の一つに「労使間の合意の有無、又は合意に至るまでの経緯」がポイントになり、合意の存在は、変更後の就業規則は労使間の利益調整がなされたものとして合理性が推定されることになります。

 しかし、この合意の有無で判断するのではなく、その経緯が重要になるのではないでしょうか?現実的に労使間には力の差があるケースも多くみられます。一方的な変更についての合意の取り交わしなど行われてしまえば、法10条の趣旨が没却されてしまいます。合意は労働者の自由意思に基づくものであることはもちろんですが、不利益に変更する必要性・理由及び内容について十分に説明をすることが大切になります。

③合理性の緩和

 また、労働条件の不利益変更にあたり、経過措置又は緩和措置があることは「不利益の緩和」として重要な意味を持ちます。判例でも「・・・不利益性を緩和するなどの経過措置を設けることによる適切な救済を併せ図るべきである・・・・」と述べています。

以上のように、不利益変更の合理性が認められるには、「総合的に考慮する」のですが、①労使間の自由意思による合意の形成、②経過措置等の不利益の緩和の措置を講じること。の2点が重要になります。

この基準は、具体的に事業主の方ができることなので、経済的事情などにより、就業規則の不利益変更する際には、ぜひ覚えておいていただきたいと思います。

 

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